ゴールデントライアングル
白モン族の手工芸品、エプロンサッシュ飾り部分のコレクションからの出品です。
本来は左右一対ですが、単体です。

リバースアプリケと小、極小ステッチの作品です。

南米の「モラ」と同じ手法のアプリケ
「モラ」が色とりどりでカラフルなのを持ち味とすれば
モン族のアプリケは「限りなく緻密」な仕上がりが特徴的。
薄い絹布を極細の糸でかがり
カーブや角、直線を組み合わせでモチーフを縫い付けます。
通常のアプリケは凸状のモチーフを縫い付ける技
リバースアプリケは布を切り抜いた(凹状)空間をモチーフにする手法。

実際の作業は、仕上がった作品を見るだけでは到底推し測れない骨折り仕事であろうかと思います。
一見ユニホームのように濃い藍の民族衣装を身につけている彼等は同じように見えるかもしれませんが、各々とてもユニークに体を飾ります。
装飾と祈りや願いを兼ね、ここぞと言う部分に最高の自己主張をしています。
母が子に縫い、子供が成長すると自分のために縫い、さらに家族を持つとまた自分の子供や家族の人のために縫います。
時間の使い方を考えさせられる手仕事の一つです。

経年変化により彩度、明度が弱まり淡く、美しい色合いが素敵です。
肉眼ではオレンジがかったピンクに見えるところが写真機能を通すとよりピンクが際立つ色に写りました。
写真　3) ではサーモンピンク
写真 5)では鮮やかなピンク
肉眼でキャッチする色との差がとても不思議です。

モン族やその他少数満足の刺繍が脚光を浴び始めた頃(90年代)に収集した作品ですが
使用感などから推測するなら
5〜60年前に仕上げられたものと思われます。
(素人の考察ですので、ご参考まで)

追記　余談として、、、
映画「タイタニック」の終盤に
ジャックの思い出を語る老いたローズが着ているプルオーバーに注目です。
エスニックティストなのが印象的です。

タイタニック号は1912年沈没。
映画「タイタニック」ジャック役にはレオナルド　デカプリオ
若きローズ役はケイト.ウィンスレット、制作年は1997年。
85年前の回想をするローズという設定。
衣装担当者の好みが反映したのか
物語の実年代と制作年代の空気感が共に味わえる映画でした。

商品の情報